2011/11/09

人身取引三昧(上)


(中)(下)

人身取引のシンポジウムに行ってきた。

「海外の取り組みから日本も学べ!」的に、人身取引に対する各国の取り組みや事例の紹介と課題などのお話を聴き、その後で日本の取り組みと理解の現状を知って、ウンザリする、という流れであった。

各国の取り組みの優劣については米国の年次報告書(TIP)の評価がベースになっており、日本の評価は先進国の中でも、更に東アジアの中でも決して誇れるものではないのだが、そういうことを知る日本人自体が少ないということが、最大の問題のようにも思ったり。(

「人身取引」といえば、そのおよそ半数近くを占める性犯罪だけがひとり歩きしがちだが、第一次産業や建築業、工場…などと、犯罪の種類も多数あるので、性的搾取のみを取り上げないことも、けっこう大事なことだったりする。
そして厄介なのは、こういった人身取引の総数を誰も調べたことがない、というのが多くの人に実態を知らせるための足かせになっているそうな。

人身取引は、あまりに明け透けに目の前で公然と行われていたり、あるいは暮らしのあまりに身近なところにあるがために、もしくは被害者が「脅されている」、公的機関に通報されたら困る…などの事情で、死角や闇に隠れて「それ」と認識しづらいもののようだ。
各国とも、被害者を特定しにくい、という問題を抱えているが、それでもホットラインを広く周知させるなど、啓蒙し、問題に前向きに取り組む国では、実態把握のデータの収集でも成果を上げはじめている。

日本でも全く取り組みをしていないわけではなく、個人通報制度を設けて、それなりに被害者の救出でも成果を出しているのだが、何分にもタスクフォースが弱いらしい。
この、「タスクフォース」て何よ、と無学な私などは思うわけである。一応Wikipediaのリンクを貼っておく。→タスクフォースとは

主催したNGO(ポラリスプロジェクト)の代表も、「人身取引に関わるNGO・NPO同士のパートナーシップが希薄で…」てな悩みを打ち明けていた。こういった団体を主催していると、割と孤独な闘いを強いられることが多かろう…、などと何気に気持ちを汲んでしまう私だった。

日本には、人身取引の対策機関が無く、政府が必要性を感じていない、という問題があるという。
現状では、実態把握に向けた活動自体がなかなか困難らしく、実態把握ができないから、政府も必要性を感じない、みたいな。

日本政府というのは、レイプしておいてシラを切り、だんまりを決め込むバラケツ男のようだと、私は思うのだった。

バラケツな人々(2011年5月10日)