2012/04/26

おもしろい人

食事を摂りながら、
「90歳過ぎても元気な方がいらっしゃるのに、私ったら、87でこんな(寝たきり)になっちゃって…」
と仰る利用者に、

「気にしなくても大丈夫ですよ。老獪だなんだってみんな持ち上げますけど、90過ぎでの元将校だなんてったら、部下大勢、鉄砲玉や楯に使って生き残っているだけで、そもそも酷い人間ですから」

と返したら、利用者の笑いのツボに入ってしまい、笑い過ぎてむせて、危うく利用者を窒息死させてしまうところだった。
こんなことは事業所にも報告できない。最近、一番のヒヤリ・ハットである。
笑い死ねるとしたら幸せなのかもしれないが、それはあくまで私の価値観。

この仕事をしていて、「おもしろい人」と評価されることが多い。それは、ありがたい。
ありがたいが、身を引き締めて、ある程度おもしろさを自重していく必要もあるな、と。

高齢者と関わっていて、おもしろいなと思ったのは、決して気分を害されることなく、私のたくさんある引き出しの中から、「いいもの」だけを上手に引き出していく人がいる。もちろん、私は「いいもの」だけを持っているわけではないから、こういう人は本当に得な人だな、と感服する。
これも海千山千というのか。
この手の得な人で、高齢者以外でお会いした例は、実は某大使夫人だった。この術は、コミュニケーション能力の高さと通じるものなのだろう。(

武術や格闘技で、難しいが究極の技とされるのは、「敵と仲良くなること」らしい。
私の座右の書の中に『剣士の名言』(戸部新十郎)があるが、そこにも、

兵法は平法なり(飯篠長威斎)

などとある。
本能的にか、そういう技に優れた人なんだろうと思う。