2012/06/04

「愛着理論がなんだかな…」という話


先頃の、心を鷲掴みにされた絵()ではないが。

愛着理論(あいちゃくりろん、Attachment theory )は、心理学、進化学、生態学における概念であり、人と人との親密さを表現しようとする愛着行動についての理論である。子どもは社会的、精神的発達を正常に行うために、少なくとも一人の養育者と親密な関係を維持しなければならず、それが無ければ、子どもは社会的、心理学的な問題を抱えるようになる。…(wikipedia

この愛着理論に疑問が呈されているという話をラジオで聴いた。

母親が「少なくとも一人の養育者と親密な関係を維持しなければ」という強迫観念に駆られて、滅多矢鱈に子に密着して、うまくいけば「一卵性親子」と呼ばれるほど親密になるのかもしれないが、失敗すれば真綿で首を絞めるような親子関係になることにもなるだろう。
実際、専業主婦としてのプライドで捏ね上げられた、お上品なおバアや、それに育てられた息子どもとなると、正しいと信じて貫いてきた子育て方法を否定されるようで、それは自分自身の生き様を否定されるようで、憤懣やるかたなしかもしれない。あらん限りの暴言で、母親役割としての愛着理論を守り抜こうとするのも、予想に難くない。

…しかし、世間の狭い完璧な古参の専業主婦のプライドに、邪気が満ち満ちていることがままあるのだが、あれは本当にどうにかならんものか。

関連図書をAmazonで検索すると、二つ出てきた。
愛着からソーシャル・ネットワークへ―発達心理学の新展開』の商品説明を引用すると、

乳児期の母・子「愛着」関係によって、発達の可能性は決まってしまうのだろうか?多様な人々からなる社会的環境としてのソーシャル・ネットワークの視点からの批判と提言。愛着理論家からの忌憚のない反論収載。

そして『人間関係の心理学―愛情のネットワークの生涯発達』。

乳幼児期から高齢期に至るまで、社会の中で暮らす人間の自立を支えるものとはなにか----複数の重要な他者からなる「愛情のネットワーク」という人間関係のモデルを提案し、主要な議論や素朴な疑問とも絡めつつ、そのなりたちからしくみ、生涯にわたる変化を検証する。

ということで、これまで一方的に盲信されてきた常識を覆そうという流れが興ろうとしているのだろうかと予感した。
私としては、かつての時代はどうあれ、近現代の不自然な社会の構造の変容を考えれば、このご時世で、愛されなかった人間を全否定するような手垢まみれの理論が原理主義的に横行するのは不自然極まりないよな、と素直に感じた次第。